ー生前整理とは?自分で行う遺品整理のメリット・デメリットを解説ー

私たちがこの世を去った後、自分の持ち物や財産はどうなるのでしょうか。

通常、遺族が遺品を整理することになりますが、最近では生きている間に自分の物を片付ける生前整理を選ぶ人が増えています。

この記事では、生前整理のメリット・デメリットについて詳しく解説します。

遺品整理とは故人が残した品物を整理すること

生前整理について詳しく説明する前に、まずは遺品整理とは何かについて確認しましょう。

遺品整理とは、故人が残した品物や生活用品を整理し、住まいを清潔に保つ、または空にする行為です。

通常、遺品整理は遺族が複数人集まって行うものでした。しかし、近年では少子化の影響も相まって、故人と特に親しかった遺族が1人もしくは2人のみで行うという場合が増えています。

遺品整理は専門業者を利用するのがおすすめ

遺品整理は、故人の残した品物の量によっては大変な作業になります。

また、故人の思い出に触れることは精神的な負担も大きいといえるでしょう。

「遺品整理にかける時間がない」

「故人の住んでいた場所が遠方で訪れることが叶わない」

「感情的な負担が重すぎる」

このような場合、専門の遺品整理業者への依頼を検討してみましょう。

遺品整理業者とは、遺族の代わりに遺品の整理を行う業者です。場合によっては特殊清掃や廃棄物の処理などの追加サービスもあります。さらに、一部の業者では必要に応じて供養まで行ってくれる場合も。

遺品業者は遺品を丁寧に分類し、整理するほか、大きな家具の運び出しや処分も行ってくれるため、安心して任せられます。

もちろん、自分自身で遺品整理を行う「生前整理」という選択肢もあります。

生前整理を行うメリットとデメリットを詳しく見てみましょう。

生前整理とは

将来的に遺族にかかる負担を軽減するため、健康なうちに自分の持ち物や財産を整理する、いわゆる、生前整理を行う人が近年増加しています。

生前整理が広まった要因には、2009年頃に流行した「終活」という考え方の影響が大きいでしょう。

生前整理は一般的に高齢者によって行われるイメージがありますが、30〜40代の間で断捨離という意味もかねて生前整理を実践する人もいます。

生前整理のメリット4点

生前整理が広く推奨されている理由は、以下のようなメリットがあるからです。

1.遺族の負担軽減

2.相続争いやトラブルの予防

3.意思表示が困難になっても自分の意向を示せる

4.日常生活の質の向上

生前整理のこれらのメリットについて詳しく解説します。

1.遺族の負担軽減

遺族の負担を軽減することは、生前整理の最大のメリットです。

大切な人を失う悲しみは計り知れません。遺族はその悲しみを背負いながら、葬儀の準備や死亡届け、財産の手続きなどを行う必要があります。

加えて、故人の遺した物品の整理は精神的にも肉体的にも重い負担になるでしょう。

生前整理により事前に物品や財産を整理しておくことで、遺族の負担を大きく軽減することが可能です。

2.相続争いやトラブルの予防

自身が所有する財産を明確にし、遺言書や財産リストを事前に準備することで、残された遺族間の相続争いやトラブルを予防できます。遺言書や財産リストが作られていない状態で亡くなってしまうと、親族間で相続に関するトラブルが発生する可能性も否定できません。

たとえ遺族間で遺産の分割について話し合いが行われ、合意が得られたとしても、未発見の財産が後から見つかると、再び分配方法について協議する必要が生じます。

生前整理を行うことで遺族間のトラブルを避け、相続手続きをスムーズに行えることは大きなメリットです。

3.意思表示が困難になっても自分の意向を示せる

生前整理の一環として、多くの人がエンディングノートを作成しています。

急な事故や病気で自分の意思を表現することが難しくなることもあるでしょう。そのようなとき、役に立つのがエンディングノートです。

例えば、

「延命治療を望む」

「人生の終末を自宅で迎えたい」

このような願いをエンディングノートに記録しておけば、意思の伝達が難しい状況であっても、自分の希望が実現する可能性が高くなります。

突然の事故や病気は年齢を問わず起こりうることなので、高齢者だけでなく、若い世代もエンディングノートを作成してみてはいかがでしょうか。

4.日常生活の質の向上

生前整理を行った多くの人が、それによって生活の質が向上したと感じています。

不要なアイテムを処分し、必要なものだけを残す作業により、生活空間に新たなスペースが生まれ、広々と部屋を使えるようになります。いわゆる「断捨離」ともいい、一時期ブームになった考え方です。

さらに、生前整理は居住空間だけでなく、生活そのものも快適にするという効果も。整理を通じて自分自身を見つめなおす機会となり、やり残したことや実現したかった夢を思い出す手助けになります。

結果として、「人生がより豊かになった」と感じる人が多いのはこのためです。

生前整理のデメリット2点

生前整理には多くのメリットがありますが、以下のようなデメリットも存在します。

1.時間と労力が必要

2.一定の費用が発生する

これらのデメリットを理解しておけば、生前整理を始めた際に途中で挫折することなくやり遂げることが可能です。

1.時間と労力が必要

もし引っ越しや断捨離の経験があるなら、生前整理がどれほどの時間と労力を要するか想像できるかもしれません。

特に多くの荷物を持っている場合、生前整理は簡単にはいかないものです。不要なアイテムを粗大ゴミとして処分したり、買取業者に持っていってもらうなど、かなりの手間がかかる作業といえます。

高齢者にとっては、生前整理は体力的にも大変な作業になるでしょう。そのようなときにおすすめなのが、生前整理を専門に行う業者へ依頼することです。

2.一定の費用が発生する

生前整理で不要品を処分する際、その費用も考慮する必要があります。不要品を回収する業者に依頼すると、数万円の費用がかかることが多いです。

価値がある品物の場合、買取業者に依頼して現金化することも検討しましょう。ほかには、不要な家具や家電を粗大ゴミとして出すことでコストを抑えられます。

まとめ

生前整理にはデメリットもありますが、自分が亡くなった際に遺族にかかる負担を減らし、自身の人生をより良いものにするという大きなメリットがあります。

人の命には予測不可能な要素が多いです。「まだ元気だから大丈夫」と思っていても、突然の事故に遭うリスクは否定できません。

健康なうちに生前整理を始めることを検討してみませんか。生前整理を専門に取り扱う業者に依頼するのも一つの良い選択です。

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